2020年12月

2020年12月31日

giftedを理解することは知能とは何かを探究する事・・・大晦日に考える

今年も今日で終わりですね。掃除を終えた後,のんびりとアロウェイさんの「ワーキングメモリと日常」を眺めている。

 

題名が「日常」とついているから,日常生活に関連したワーキングメモリかと思いきや,なかなか深い。ワーキングメモリの研究の歴史に始まり,発達と加齢による変化,そして様々な最新研究からワーキングメモリの果たす役割について広範囲に語られている。まだ,第I部の第2章までしか読んでいませんが,直感的に面白いと。アロウェイさんの本の中では,より専門書に近いものですね。その分1人で読むのは大変かな。輪読会なんかできたらいいいなと・・・。

 

 この本の第2章は「ワーキングメモリと知能:展望」というテーマで知能研究の歴史を概観しなが論じられています。そこでは,「ワーキングメモリそのものが知能」と,以前の著書でも,学力を予測するのはI Qではなくワーキングメモリと述べていた。そう考えると「知能≒ワーキングメモリ」という図式が出来上がる。

 

 この本では,ワーキングメモリを以下のように定義している

「認知的コントローラー」,すなわち,行動や思考のプロセスを計画し,望ましい目標に向かって行動を制御する能力と

 

 さて,ワーキングメモリはgiftedの臨床研究で解明しなければならない課題だろうと考えている。彼らのアンバランスさを解明する鍵が「ワーキングメモリ」。残念ながら,ウェクスラー検査ではワーキングメモリの一端しか測り切れていない。

 

 Gifted Childrenにおいては「知能≒ワーキングメモリ」という図式が,そう簡単には成立しないのだ。本の中でも,1994年のウォールストリートジャーナルの定義が掲載されている。ウィキペディアでは,「論理的に考える、計画を立てる、問題解決する、抽象的に考える、考えを把握する、言語機能、学習機能などさまざまな知的活動を含む心の特性のことである」・・・Gifted Childrenは確に知能は高いが,ワーキングメモリーのテストには反映されずらい。

 

 「ギフテッドとは?ギフテッドとの知的機能とは?」この何年間かの命題いやいや迷題ですね。カムイミンタラを彷徨っていますね。

 

 giftedを理解しようという取り組みは,「人間の知能とは」という大きなテーマに行き着くという事だった。そう,おいらはこの8年間giftedを通して「知能とはなんだろう」そんなことを妄究し続けているのだ。

 実のところ,「知能とは」を考えるのは,低学力,グレイゾーン,知的障害などの子どもたちを理解し援助するのにも大事なことなのだ。



 



nhlgldac at 14:00|PermalinkComments(0)

2020年12月30日

今年を漢字1文字で表すと「繋」かな・・・やっぱりオンライン会議

今年も残すところ後二日。昨日はディのバイト,オンラインでの打ち合わせ,ボス一門の忘年会と・・・なかなかハードなフリーター仕事納めでした。久しぶりに飲みながらオンラインでお話をしました。

 

 さて今年1年・・・漢字を当てはめるとしたら・・・昨年は「折」だったのですがね。今年はオンライン会議でしょうね。3月のキックオフミーティングに始まり,10月のgiftedシンポ。ギフ寺も母寺もオンラインで取り組み,オンライン相談,専門学校の講義,ディの勉強会,一門の勉強会や忘年会と「オンライン」無くしてこの1年は語れないですね。

 

 ということで「繋」かな「線」だと今ひとつですね。

 

 コロナ禍の中で,新しい「繋がり方」が,できるようになってきました。

 

今年は佐賀にお呼ばれして,九州の応援隊の皆さんと会う事ができました。2回のオンラインシンポでも多くの人たちに出会いました。今までは,会いに行かないと繋がらなかった。北海道に住んでいると,ちょっと勉強に内地に出かけようと思っても,多くの費用がかかってしまう。「北国のハンディ」と言うより「外地のハンディ」ですね。

 

例えば,今月資格更新講習を受けましたが,オンラインだと東京や大阪で受けるの費用の1/10程度で済みました。特別支援教育士の資格にしても北海道だとかなりの金額を注ぎ込まないと難しいですね。今回のオンライン化で様変わりですね。

 

相談に関してもメリットがあります。例えば,旭川のぷりずむで検査を取り,保護者と子どもへの検査のフィードバックは,再度出かけなければならない。ちなみに旭川までは150㎞あります。時間と費用がかかるわけですね。それが,オンラインでは解消されるわけです。

 

コロナ前に取り組んでいた相談会では,遠方からきたケースもあり,検査のフィードバックには再度足を運んでもらいましたが,負担も減らす事ができます。コロナ後には,胆振東部地震の後に北海道を応援する意味で行った道外向けの相談会も可能ですね。北海道旅行をメインに来てもらって,ついでに検査して帰って,オンライン相談・・・子どももも検査を通して関わるので,話もスムーズですね。

 

まあ,個人的にはフラフラと遊びに行って,子どもたちと遊んで美味しいお酒を飲みたいのですがね。

 



nhlgldac at 15:59|PermalinkComments(0)日記 | 徒然草

2020年12月28日

注意と熟考はトレードオフなの???giftedの処理速度の脆弱性

先週の水曜日は母寺がありました。子どもたちの近況を聞きながら,これからの研究の方向や最近考えているgiftedの思考というか特性についてお話をしました。土曜日は2ヶ月ぶりのリアルギフ寺。コロナの影響を受けつつもオンライを使いながら細々と続ける事ができました。「継続は力なり」,そのためには新しい力が必要です。

 

クリスマスイブにはボスのところにお出かけ。リアルボスは7月以来ですね。この間の臨床研究の取り組みと雑感を報告し,春からの研究の枠組みについてご指導を受けてきました。オンラインで勉強会はしていましたが,人と話すのはやはり大事です。言語化しつつ研究の方向性を確かめていくプロセスですね。

 

本でもおいらの担当がgiftedの知能と認知的特徴を書くことになっているのでね。一般知的能力指標が非常に高いのは明らか,脆弱性と考えるとワーキングメモリーや処理速度となる。気になるのは,処理速度の話ですよね。処理速度は何を測っているのか?giftedはなぜ処理速度が指標得点が他に比べて低いのか。

処理速度が測定している能力は「視覚的刺激を素早く正確に処理する力,視覚的短期記憶,注意,動機づけ,視覚-運動協応」・・・低得点はどの能力が関連するのか?

 

少なくともgiftedにおいては,機械的な作業能力を測っているのではなく注意の問題とも密接に結びついている・・・注意の問題が前提にあって結果として処理速度の脆弱性が生じている。

 

でも,思考スタイルとしての熟考は,注意を解放した時に生み出されるわけですね。Gifted Childrenが,熟考モードに入った時には注意の脱抑制が生じているのではと妄究するわけだ。giftedに関しては,注意と集中のスイッチング・・・ということか。

 

注意と熟考はトレードオフ・・・ふんふん。注意を解き放すことで素敵なアイデアが生み出される。



nhlgldac at 17:48|PermalinkComments(0)

2020年12月22日

GiftedにLDの併存はあるのか・・・擬似症状?

そもそもどちらの定義も曖昧。その曖昧さから,議論がスタートするわけですね。

 

「学習能力の障害」と言っても,線をどこで引けば良いか?「全般的な知的発達に遅れはない」・・・この文言の解釈も難しい。広い意味で知的発達に遅れはない・・・でも大丈夫ではない。

 

知的giftedWISC-Ⅳプロフィールは,言語理解と知覚推理と関連する高度な高次思考,優れた推理能力や問題解決能力は優れています。反面,ワーキングメモリーや処理速度などが,個人内で弱かったり平均的な能力となっています。

 

Giftedの定義「全般的な知的発達は非常に高いが,読む,書く,計算するという能力の使用に著しい忌避感を持っている」・・・習得できないわけではない・・・ただただ「うんざり」・・・そんな言葉がぴったり。

 

「読む,書く,計算するという能力の使用に著しい忌避感」という視点から考えるとLDを持っているとも言えます。ただ,「忌避感≠習得と使用の著しい困難」となるわけです。さらに,多くの子どもは学力は平均より高い水準を保っている。LDであれば,学校のテストの点数や評価が平均よりも低い結果になります。Giftedは高い能力が弱い能力をカバーしています。本人はしんどいけれど,学校の先生には困り感がなかなか伝わらないですね。

 

合理的配慮と拡充教育で,忌避感を回避し高い能力を生かすことができます。文部科学省のGIGAスクール構想の展開で少なくとも,11台の学習者用PCと高速ネットワーク環境が保障され,個別に最適な学習環境と支援が可能になります。となると,giftedにおいてLDという状態が解消されるのか・・・。

 

ある意味,Gifted Childrenは擬似的にLD症状は見られるかもしれませんが,併存しているかは難しい判断ですね。きっと必要な支援という視点から考えていく必要があるかもしれません。

 この先,こまめにブログを書きながら本の原稿のヒントにしていきましょう。




nhlgldac at 13:22|PermalinkComments(0)学習障害 

2020年12月21日

ギフテッドの独り言は思考を促す・・・WISC-Ⅳの検査から

17日の3コマ講義のスライドを作った。今回のテーマは,障害受容からレジリエンス,育児ストレス,保護者支援と児童福祉法そして障害児福祉のサービス。いろいろと学ばせもらいました。

 

これで,少なくとも3日くらいは飲んだくれていられるかな。秘蔵の日本酒四合瓶が2本。あと1本手に入れてくるか。

 

今日はgiftedと学習障害について考えようと思っていたおですが。

 

以前中学生たちとマインドワンダリングについて話をしていて,giftedADHDは質的に違うよねという展開になった。彼らは,話を聞いていてそこから興味深い内容に思考が進んでいく,ADHDの場合は授業が退屈で異なる世界へと。ある意味質的違いあるとのだが,結果として話を聞いていないと括られるわけだ。

 

知的gifted の子どものWISC-Ⅳの検査をしていて,独り言が多い。きっとgiftedWISC-Ⅳに精通している人なら同じような印象を持っているはずだ。とりわけ,知覚推理の検査の時に,独り言が多様される。

 言語理解の高さで思考を補っている,内在化できていない・・・いろいろ考えられるのだが。

 

知的giftedの検査において,「独り言と熟考」はGifted Childrenの高度な高次思考,優れた推理能力や問題解決能力と関連している。独り言は,正答を見つけるための道標。内なる自分と考え方が妥当かどうか対話している。

 

ADHDのお子さんも検査をしていると,プライベートスピーチが問題解決には向かっていない印象が。あくまでも個人的感想ですが。

 

知的giftedはヴィゴツキーを超える,新たな思考の世界を創り出しているかも。半分冗談ですが,切り分けるという意味では大事な視点かな。

 

なぜ知的giftedは,熟考する際に「独り言」を多用するのか。

 

知的giftedLDの話は次の機会かな。発達障害という枠組みでは,測れない子どもたち・・・視点を変えないと。




nhlgldac at 17:48|PermalinkComments(0)